アサルトライフル

半自動及び全自動で射撃することが可能な小銃を「自動小銃」という。その内、射撃時の反動を小さくしてコントロールを容易にするために、低威力化した弾薬を使用するものを指す。「 Sturmgewher(シュテュルムゲヴェアー) 」を英訳したものがAssault Rifle。日本語では「突撃銃」と呼ばれる。

アサルトライフルの必要性

小銃という武器は、突撃してくる敵兵を狙って倒す防御的性格を有する兵器である。したがって、敵陣地を制圧を目的とする攻撃時には、どうしても、敵兵と肉薄するために狙いを定める余裕がなく、小銃の火力を活かすことができない。そこで、昔は、長槍を装備した騎兵が突撃を行っていた。フランスで着剣小銃が発明されると、ライフルに槍と同じ役割ももたせることができたために、小銃歩兵隊が防御と攻撃の両方で主力を担うようになっていった。

第一次大戦の頃になると、突撃時の制圧力を高めるために着剣小銃の代わりに自動拳銃や機関拳銃サブマシンガンの集中使用も行われたが、携行弾丸の量の問題と、連発時の銃身の加熱、敵の突撃を受けたときに、命中率を犠牲にして近距離の制圧力を持たせたサブマシンガンでは、射程外の距離からライフルによる援護射撃を伴いながら、突撃してくる敵兵に対して、有効に防御できなかった。

ここで、発明されたのが自動小銃(アサルトライフル)である。自動小銃は、第二次大戦末期にドイツ軍の研究から誕生した*1。第二次世界大戦初期よりドイツ軍前線では、市街戦や近接戦闘(700m以内)において、敵よりも高い制圧力を持たせる必要性が認識されていた。

自動小銃は、その小銃弾(ライフル弾)の弾体が大きく、また装薬量も多いものであったから300m以遠の標的に対してもボルトアクション式小銃とに近い防御効果を持ち、突撃時にはフルオートで銃弾をばら撒くことで、4,50メートルの長槍を振り回すのと同じ制圧効果を発揮した。これが、自動小銃が突撃銃と呼ばれる所以である。ただ、弾幕射撃を行うのであれば、携行弾丸量の制限から軽機関銃が、狙撃を行うのであれば、従来のボルトアクション式ライフルのほうが、命中率の観点から効率的であるとされている。

アサルトライフルの完成

1996年ボスニア・ヘルツェゴビナで、Joint Endeveavour作戦中のソロモン二等軍曹

以上の観点から、ドイツ軍は、従来の小銃弾の装薬量を減らしつつも、ある程度の範囲内では小銃弾と同程度の威力を発揮できる Kurzpatrone(クルツパテゥローネ)頭文字を取ってK7.92mm短小弾を開発し、これを30発弾倉に充填し、頑丈なライフル銃を全自動小銃に改造してMaschinenkarabiner 1942(MKb42)を考案した。実戦試験でこのコンセプトが正しいことが証明されると、真の量産型として Sturmgewher 1944 (StG44)*2 が完成したが、大戦末期に完成したため、ドイツ陸軍全体に行き渡らせることができなかった。結局、米国だけが大戦中に自動連発ライフルとして、半自動式小銃M1ガーラントを実戦配備することができた。

失敗から名銃の誕生

それまでの小銃歩兵の常識を覆す、強大な持続火力とコンセプトは、戦後、東西両陣営で研究されたが、西側は当初そのコンセプトを生かさず、ヴェトナム戦争初期にその誤りに気づくこととなる。対する東側陣営、特に旧ソ連では、実際に戦場で苦杯を多くなめただけにそのコンセプトを学び取り、Avtomat Kalashnikov 1947 (AK-47)を開発し量産した。その後、ヴェトナムの戦場で東西の突撃銃が出揃い、より多くの弾薬を持ち運ぶことの出来るよう、弾薬の小口径化*3が主要各国で進み、現在に至っている。

*1 自動連発銃のアイディア自体は、いずれの先進諸国でもあったと想像される。ただ、実際に開発し、なおかつ全軍全部隊に配備できることは次元が違う。
*2 重量は5.22kgで連射速度は約毎分500発であった。
*3 口径の大きさと敵に与える脅威は必ずしも相関しない。小さい弾丸のほうが弾痕は小さくなるが、初速は速く、低伸性は増大し、命中精度は向上する。その上、命中すれば人体中で弾丸が変形するため、より残酷である。さらに戦場では敵を殺害するよりも、負傷させたほうが戦力を効果的に奪うことができる。